コロナ禍によって今までの常識が覆され、新たな常識が誕生することもあるのかも知れない。対面が当たり前と思われていたことが、案外オンラインでできるという発見も思わぬ成果だろう。本学も遠隔授業に挑戦した。通信機器・環境の不十分な中で、教員も学生もまずまずの出発であった。知識や技能の学習には、こうしたコンテンツがいつでも引き出せるようになっていれば便利なはずだ。
一方、オンラインでは難しいと思うのは、機微に届くコミュニケーションである。対人では言葉の背後にある、言葉と裏腹な気持ちも受け止めることが必要になる。今回のような見通しのつかない状況では、誰しもが不安やイライラを募らせているだろう。オンラインでもできないことはないのだろうが、思っていることを人に話して受け止められることで、安心の得られる有り難みが再認識される。
人の行動の不易(変えられないこと)と流行(変えられること)を見極めなければならない。