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2030年の幸せって何だろう?

未来が始まる

 私たちは第2次大戦後経済的に発展し、工業社会が生まれ、サービス社会が生まれ、いまSociety5.0が生まれようとしている。イギリスの学者は、今の子どもの65%が、今はない仕事に就くと予測する。過去から現在への延長線上にはない社会が生まれてくるということだ。これからの変化はめまぐるしく、不確かで、複雑で曖昧といわれる。

昭和の幸せ

 昭和の時代に育った私は、洗濯機、炊飯器、カラーテレビ、クーラーと家に電化製品が来ることが、幸せの階段を上ることのように思われた。新製品を持つことが自慢であったし、持っている人がうらやましく思われた。今思えば、広告にメディアに消費の欲望を刺激され、他人との競争に駆り立てられていたのだ。競争で優位に立つには、成績が良く、学歴が重要とされた。そこにあるのは、自分本位の、人と比べて優位に立つのが幸せとする考え方である。

優越感・劣等感

 優越感があれば、劣等感がある。劣等感のある者は、優越感が持てるものを探す。そこに様々な差別や支配、暴力が生まれる背景があるとしたら、お互いが傷つけ合う社会である。結局、誰もが傷つき幸せになれない社会を目指していたのではないか。身分、職業、人種・民族・宗教・文化、性、ジェンダー、LGBT、障害者、病人、家族状況、収入、能力など、何か中央値から離れている人は差別攻撃の対象にできる。何でも中央値にいる人などいないだろう。

No one will be left behind.

 誰一人置き去りにしない。2030年に向けたSDGsの基本思想である。自分一人が幸せであろうとしても、幸せではいられない。それぞれ誰しもが幸せ(well-being)でいられる社会を目指して、考えを、行動を改めていきたい。言うは易く行うは難しである。

 全ての人が互いの自由を尊重し、尊厳・多様性を尊重し、思いやりを持ち、互いのwell-beingに貢献していきたい。